1999年9月15日掲載
Kenny Burrell & Jimmy Raney   2 Guitars
Prestige原盤                            1957年5月録音

 ギター2本を全面に押し出した、プレスティッジお得意の寄せ集めセッションです。ケニー・バレルとジミー・レイニーでして、プレスティッジにリーダー作を残したギタリストの中で充実した演奏を披露した人となれば、この二人でしょう。バード、マクリーン、マル、ワトキンス、そしてアート・テイラーというプレスティッジの看板ミュ ージュシャンが揃ってまして、これなら悪い作品が出来る訳がないですよね。少し気になる点としては、“out of nowhere”以外は全てメンバーのオリジナルなのですが、ギターのお二方の作品が無いという事。まぁ、ゴキゲンなセッションであることは、間違いないでしょうけどね。

19990915

 スタジオ入りするまでは、呼ばれたミュージュシャンは誰とのどんなセッションなのかは知らされていなかったという話を、このようなセッションの場合によくあったというのを聞いたことがあります。集まってみたらギターが2本いて、これがメインの演奏なのかと理解したのではないでしょうかね。こんな調子で行っきたプレスティッジのセッションが、高い水準にあるというのは凄いことだと思っています。この作品でその凄さを実感できるのが、一応ワトキンス作となっているアップ・テンポの“this way”。これはテーマなんてないのですよ。いきなりアドリブからスタートでして、エッジのハッキリしたバレルのギター、ホワァーンとした感じのレイニーのギター、そしてここでもモールス・ピアノのマルと続くソロは、まさにジャズの醍醐味を感じられます。ギター同士の8バース、4バースと続く展開 もありますしね。ぶっつけ本番での快演という素晴らしさを、体験出来る作品ですね。