1950年代も後半になれば、日本で買われるジャズ作品は12吋と相場が決まっていたと思います。しかしアメリカでは、特にソウルフル・ジャズの場合、シングル盤が結構なセールスを記録していたそうです。ジュー ク・ボックス用なんて説もありますがね。ビール片手に大騒ぎするために、聴かれているのかな。このエディ・ロックジョウ・デイヴィスもそんな対象の一人でして、シングルも多数発売されてたそうです。 僕が彼の作品を持っている理由は、グリフィンと一緒にやっている盤でこのコテコテ・テナーが気に入り、また一時プレスティッジの作品を集めていたことからです。オルガンのシャーリー・スコットが加わってのコテコテ定番クァルテットでのこの作品、“body and soul”や“but not for me”などのス タンダードを中心に取り上げられています。
アップ・テンポのパンチの効いた演奏が良いですね。特に“I let a song go out of my heart”では、テーマをデイヴィスとスコッ トが掛け合いで弾いて、メリハリをつけたものにしています。この雰囲気を他の曲でも求め たいのですが、馴れ合いセッションの感が多少なりともあり残念です。しかしアルバム全曲が良いなんて作品は滅多に無いわけですから、この1曲だけでこの作品の存在価値を感じられますよ。