1998年12月にこの「今日の1枚」を始めてから数年間は、今日の主役ヤン・ラングレンの作品を立て続けに8枚取り上げました。その時期は新譜を買っていた時期であり、またピアノトリオに関心が言っていたこともあり、そしてジャズを聴き始めてから10数年に渡り濃いジャズがを聴いていた反動も多少加わって、ヤン・ラングレンに心動いておりました。
しかしながら9枚目として購入した本作品は、「今日の1枚」に取り上げることもなく、今日まで収納箱に眠っておりました。
スウェーデンの民謡を中心に演奏されている、Mattias Svensson(b)とMorten Lund(d)とのトリオ作品を、今日は聴いてみます。
その土地で歌い継がれてきた曲というのは、洋の東西を問わず、心に染み入るものですね。北欧の国々は長きに渡り統合や統一を繰り返してきた歴史があり、そんな背景の中で生き残ってきた曲には、哀歌という言葉が相応しい雰囲気があります。
哀しみと喜びの表現力が抜群なラングレンがこれらの曲を演奏すれば、そしてそれらは先祖の思いが詰まっているだけに、北欧とはかけ離れた場所にいる私にも切々と伝わってくるものです。久しぶりに聴くラングレンは、流石はラングレンという演奏でした。
彼は2009年にヨーロッパ・ジャズのスタンダード(?)を取り上げた作品を発表して、評判になったとのこと。その作品に巡り合えることがあれば、ここで取り上げます。