2017年12月6日掲載
Guido Manusardi        Live At The Jazz Spot
SPLASC(H)原盤           2000年7月録音

 今日の主役はピアノのマヌサルディで、この「今日の1枚」では4枚目の紹介となり、Trevor Ware(b)とBilly Higginsとのライブ作品です。

 さてアルバム名になっている演奏場所のThe Jazz Spotですが、場所はハリウッドとのことですが、検索してもこのお店の情報は得られませんでした。ひょっとしたら店名ではなく、クレジットの意味は「ハリウッドの秘密の場所ですよ」との意味なのでしょうか。

 またマヌサルディの活動状況もネットで調べましたが、情報が得られませんでした。何語かわからないウィキペディアの彼のページによれば、まだご健在のようですが、65歳の時の本盤が、彼の最後の作品になっています。

20171206

 深みがありながら流れるようなマヌサルディのピアノに、誰でもうっとりとするでしょう。そしてベースとドラムとの相性も、まさに一体となった演奏と言えるほどの、成熟度です。私はマヌサルディの作品は、この他に3枚しか接していないので、彼の中でこの作品が云々とは言えません。しかしながら、ピアノトリオのライブ作品としては、トップクラスの作品だと言い切れます。例えば1曲目のマヌサルディ作の「The Woodpecker」では心地よい午後の陽だまりを感じられ、同じくマヌサルディ作の5曲目「Solely」では待ち人来らずで1人ワインを飲んでいる夕刻の風景が目に浮かびます。

 この描写力の素晴らしいマヌサルディの演奏を支えたヒギンズは、翌年に亡くなっております。この録音の時は、闘病生活の中での調子がよかった時期と思いますが、ブラシ冴え渡りの素敵な演奏です。ヒギンズさんの最晩年の好演とも言えます。

 この作品が光っているだけに、これ以降のマヌサルディの演奏に触れたいのですが、今のところはその方法が無いようです。