惚れているラングレンだが、彼がかつて日本のアルファに吹き込んだ作品については、彼らしさが感じられずにいました。まぁ時が経って聴き返せば違う印象が得られるかもしれないので、いづれこのコーナーで取り上げてみますけどね。
さて、現時点において最新録音になる本作品も日本製作。センスの良い上不さんの個人運営レーベルなので、大手アルファとは違った線で録っていると思っています。Jesper Lundgaard(b), Alex Riel(d)というラングレンの初リーダー作を支えたベテランとのトリオ作品。ラングレンの契約の問題で三者同格の扱いをするといことで上不さんが契約に漕ぎ着けたそうですが、スタンダードを中心に演奏しているのも、そんな影響からのことでしょうかね。
ラングレンの特徴のきらやかに軽快に流れるメロディが強調されている1枚。
ブラシを多用しホンワカな感じを与えるドラムと、官能的なベースラインが好を奏している1枚。
その意味では昨日取り上げたSittel盤とは、肌触りが違っておりますね。上不さんはラングレンの録音を続けていく意向があるようなので、楽しみです。上不さんが提案した渋い曲も多く演奏しており良かったのですが、ピカイチはスウェーデンのポップス界の人気者らしい方の「trubbel」という曲。ボサノバ調で演奏される怪しげな演奏に、惚れてしまいました。
ラングレンのオリジナルのシッテル・レーベル、他の人の佳作を取り上げるマシュマロという色分けもされていくのでしょうかね。