ピアノ・トリオにおけるドラムの存在感が楽しくて、ジェフ・ハミルトンと言うドラム奏者の作品を、過去に5枚取り上げました。確か前作は、2003年録音の「The Best Things Happen…」になるかと思います。従って今日取り上げる作品は、3年ぶりのリーダー作。ピアノは前作同様に、Tamir Hendelman というお方。ベースはChristoph Lutyが参加して、ドイツはケルンでの録音です。
何か墨絵の世界を描いているような演奏です。いろんなタイプの曲を、ドラムとベースとピアノでもって、原曲の持つ雰囲気を少しぼやかし、それでいながら存在感がある演奏を引き出そうとしている。『A Felicidade』『Lullaby of the Leaves』『Too Close For Comfort』と続く3曲が、そんな雰囲気が成功した内容。全体で1時間なので少々この雰囲気に退屈することもありますが、なかなか成功している1枚と言えるでしょう。