2006年1月13日掲載
Clarke-Boland Big Band     All Blues
MPS原盤                              1969年5月録音

 クラーク・ボラン・ビッグ・バンドの作品をここで取上げるのも、早いものでこれで5枚目になります。この作品は『More Smiles』の前日に録音されたもので、ブルースがテーマ。クラーク,グリフィン,そしてベニー・ベイリー(tp)のオリジナル曲が1曲づつ。そして、ボラン作の3部から成る組曲「オール・ブルース」が収録されております。『Sax No End』と同様に、国内発売の紙ジャケ盤を購入致しました。

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 このビッグ・バンドの凄さの一つは、その参加メンバー。それぞれが、自分のコンボを構えている人たちばかりである。例えばクラーク作の『the wildman』でのソロ順は次の通り。ダスコのペット,サヒブ・シハブのフルート,ベイリーのペット,そしてコーのテナー・サックスという具合だ。また、この豪華ソロの使い方が上手い。

 その上手さが飛びぬけて光ったのが、ボランの作った組曲の中の、真ん中に用意された『dia-bleu』である。スローなテーマでユッタリした後にくる早い展開。その早さの中で続くソロは、コーのテナー,アイドリース・シュリーマンのペット,デレク・ハンブルのアルト,そしてグリフィンのテナーである。この4人のソロには、それぞれ違った色を持たせている。そして、バックの演奏もその色に合わせて変わって行く展開であります。

 ボランのアレンジの才に感嘆しながら、豪華メンバーの作品を聴き終えました。