2005年1月16日掲載
Clarke-Boland Big Band      Fellini 712
MPS原盤                             1968年12月録音

 実は今回のCD化を、ネット通販店DNで知った際に、3枚まとめて注文したのでした。ということで、クラーク-ボラン・ビッグ・バンドを続けて取上げることになります。

 メンツは、『All Smiles』から少し入れ替わってますが、ほぼ同じメンバー。ダスコ(tp)の参加が、目立つ違いですかね。さて今日取上げる盤のジャケットを見ると、やはりフリーかなと思うのですがね。曲もここでは、ボラン作の3部構成組曲。さらに、フリーの予感が強まります。

20050116

 フェデリコ・フェリーニは、イタリアが生んだ世界の映画監督です。1993年に73年間の生涯を終えた時には、葬儀は国葬として執り行われたのであります。フェリーニが生んできた数多くの映画は、「現実と幻想が入り混じる不可解かつ神秘的な作品」を得意としてきました。またそれとは別に、「自分自身の思い出、心情を直截に描いたノスタルジックな作品」も、多くとってきたようです。

 さて、このクラーク-ボラン・ビッグ・バンドでは、フェリーニの映画をイメージした組曲で成り立っています。それは、彼の映画の二つの特徴が、交互に表れるように感じました。僕は後者の特徴になった場面の演奏が気に入りましたが、これは人によるものでしょう。曲の出来よりも編曲の秀逸さが光っている作品です。