自分の持っているジャズ盤を聴き返す意味合いも込めて、この「今日の1枚」というコーナーを、1998年末に開始しました。2005年末までに1472枚の作品を取上げました。本来なら、開始時点で持っていたCDに関しては、掲載を終っていたはずなのです。しかし、この7年の間もCDを買い続けたことで、20年以上前から買い集めているCDが、未だに未掲載のまま。
一昨年から、CDをプラ・ケースからFDRのソフト・ケースに入れ替え始めました。それを良い機会として、未掲載CDを整理し、昨年から定期的に取上げ始めたのです。先ず最初に、女性ヴォーカルから取上げ始めました。この選択には意味は無く、最初にソフト・ケースに入れ替え始めたのが、女性ヴォーカルだったからです。6回に分けて、70枚弱取り上げました。
それらを「今日の1枚」の最後の方の掲載を行う直前に、ロック作品を収めたCD収納箱分の、プラ・ケースからソフト・ケースへの入れ替え作業にとりかかりました。その最中に、その箱の中から、ジャズ女性ヴォーカル作品が20枚以上見つかったのです。ということで、これから暫くの間は、女性ヴォーカルを続けて取上げて行きます。
実はこの文章を書いているのは、2005年の大晦日。そして取上げようとしている作品は、僕がもう捨てたと思っていたものです。確か1998年の冬に買ったCDです。SJの1月号の付録「完全データ・ブック」の輸入盤の項に掲載されていて、そこでの一行コメントを読んで、購入した作品でした。
どんなに酷い作品でも、必ず最後まで聴くのですが、この盤には耐えられなかった。途中で聴くのを中止したのは、この作品が初めてでした。そして、ゴミ箱に入れたはずだったのですが、何故かロック作品を収めた箱の中に眠っておりました。
Patty Watersという人をネットで調べたら、現在でも活動している方のようです。この作品は、当時は全く知らなかったジェシカ・ウイリアムスが参加しております。ピアノとシンセサイザーを演奏しております。スタンダードを取上げている、デュオ作品です。
恐々と聴き始めましたが、何とか70分間を聴き終えました。勿論、音と対峙して聴くとはいかず、買ったばかりの雑誌を読みながらとなりました。彼女の声は、怨念を絞り出すかのようで、またハスキーとは呼びたくなくなる執念の怖さを感じました。内容はラブ・ソング集。この声で迫られた男は、悪い夢を見ることでしょう。