ジェニー・エヴァンスさんは、このコーナーではすっかりお馴染み。
1993年録音のライブ盤,1996年録音のスタジオ盤,2000年録音のライブ盤と、毎年彼女の作品をここで取上げてきました。
今年もまた取上げることになったのですが、新譜とは言えないものです。渋谷ユニオンの新譜コーナーに置いてあったのですが、録音だけではなく出版も1994年と古いものです。
エンヤ・レーベルでの彼女の活躍から再発に踏み切ったと、僕は睨んでおります。
Fritz Pauer(p),Paulo Cardoso(b),Aldo Caviglia(d),Lee Harper(tp),Roland Bankel(g)という方々と、ドイツで吹きこんだ作品、スタンダードを中心に並べております。
エッジの効いた流暢なピアノに感心して聴いていたのですが、どーしてもフリッツ・パウアーという名前を思い出せなかった。調べてみたら、ここで参加作品を1枚取上げている。
彼のリーダー作は取上げていないのですが、ジョニー・グリフィンがアメリカ復帰後に吹き込んだ作品に参加しております。
パウアーのピアノはエヴァンスが主役の作品でも絶好調でして、バックの演奏だけで合格点の作品になっております。パウアー自身のリーダー作となると、1970年代初頭にMPSに吹き込んだ2作品に止めを刺すとか。CD化されているか知りませんが、次の帰国時の購入リスト入りですな。
さて、主役のエヴァンス。さすがに声に張りがありますね。しかし、その若さ一発で歌っているようで、前掲の3作に比べたら表現力はイマイチ。オバー・ザ・レインボウなんていう存在感で歌いこなす曲では、さすがに厳しい場面があります。しかしながら声の魅力と歌唱力は流石ですし、彼女の「easy」などでの作曲能力も感心できるもの。気軽に聴ける1枚と言える作品です。