2018年3月8日掲載
Diana Krall           Glad Rag Doll
Verve原盤             2012年録音

 タイトルは、長年一緒に過ごしてきた人形を指しているのでしょう。ミルトン・エイガーが1929年に書いた曲で、それなりに有名な曲らしいです。すっかり大物歌手となったダイアナ・クラールさんがこの曲をタイトルにした作品を、今日は取り上げます。

 この「今日の1枚」では彼女の作品を4枚取り上げており、それらは1995年から5年間ほどの作品で、彼女がスターに人気者になっていく時期のものでした。その後の大スター時期の作品は何故か購入してませんでしたが、この作品はアマゾンでトップページに表示され、勢いで購入したのでした。

20180308

 アメリカ人ならば誰もがなじみ深い曲が並んでいるのだと思います。アネット・ハンショーが1932年にヒットさせた「We Just Couldn’t Say Goodbye」、同じく1932年のジミー・ロジャーズのヒット曲「Prairie Lullaby」、「Let It Rain」はクラプトンの曲でなくJames Kendis作とクレジットされており素敵なバラッドですのでこれもヒット曲なのでしょう。こんな曲をクラールさんはハスキーさが増した歌い方で、しみじみと歌っております。日本人が聴いても心暖かくなるメロディとその歌い方に聴き入りますので、アメリカ人の方ならば涙ものなのでしょう。そう考えながらクラールさんはカナダ人とのことを思い出しましたが、出身地はナナイモという場所なので、アメリカ文化に常に接していたのでしょう。

 歪んだ音を多用するギターの使い方が私が聴いてきたクラールさんの作品とは趣が違うのですが、この辺りは色々な考えによるのでしょう。

 聴き終えたところで改めてタイトル名を考えて見ますと、それは長年にわたり多くの人たちに可愛がられてきた曲との意味なのでしょう。