2001年1月25日掲載
Diana Krall        Love Scenes
impulse原盤      1997年録音

 このコーナーに3度目の登場の、ダイアナ・クラールさんです。1995年録音の「all of you」と、1998年録音の「when I look in your eyes」の中間に録音されたものですね。前2作で書いた通り、彼女の作品の大きな魅力が、ギターのラッセル・マローンとのコラボレーションなのですが、この作品もマローンが当然入っています。クラールのピアノと共に、ベースでクリスチャン・マクブライドが参加している強力盤で、渋めのスタンダードを取り上げています。

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 最初は彼女を聴く気がしなかった理由として、以前弾き語りは嫌いだと書いたのですが、それと共に彼女の顔が、彼女を聴き始めなかった理由の一つなんです。この作品のジャケが典型なんですが、「女装」に見えてしまいましてね。

 さて、その内容。演奏とのコラボレーションでは、この作品がピカイチかな。始めのベースとのデュオだけで聴ける彼女のヴォーカルが心を揺さぶる「all or nothing at all」が、圧倒的だな。クラールの妖艶な低音も魅力的なのですが、ベースだけでこれだけリズムをキープ出来る彼女のセンスに、圧倒されました。このアルバムに対する彼女のコメントに「聴く人が、それぞれのラブシーンを思い描いて欲しい」って、ありました。彼女のこの作品に対する自信が、この発言に結びついたのかな。