2018年3月6日掲載
Jenny Evans           Lunar Tunes
Enja原盤                  2007年11月録音

 20年近く「今日の1枚」としてジャズ作品を取り上げてきますと、ほんの少しは自慢したくなることがあります。それは新譜を買い求めていた1990年代終わりから2000年代前半にかけてのことであり、その時期は「今日の1枚」をその名の通りに毎日のように掲載していた時期と重なります。

 その自慢したくなることは、数名のミュージシャンに関しては、この「今日の1枚」で初めてネット上で紹介したんだよとの、自分の中だけの自慢であります。そのお一人が今日の主役、歌手のジェニー・エヴァンスさんです。「今日の1枚」では4枚紹介してきました。

 月をテーマにした曲を集めた作品で、曲によってはジェニーさんが詩をつけています。

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 このコーナーで紹介してきた諸作と比べると、弾んで歌うジェニーさんの姿は感じられません。作品を通して重厚な表現方法を追求し始めたジェニーさんの姿が、この作品に感じられます。クレジットはされてませんが、彼女自身が全体をプロデュースしているのでしょう。この録音時点で50歳を過ぎているジェニーさん、彼女にとっては今後の歌手としての展開を模索している作品と言えます。