2018年2月9日掲載
Andre Previn                 King Size
Contemporary原盤        1958年11月録音

 クラシック界の名指揮者でありピアニストのプレヴィンが、ジャズ界で輝いていたのは1960年代前半までの事でした。この時期には並行して映画音楽の仕事もしていたとのことですので、彼は間口の広い音楽家と言えるのでしょう。

 彼のジャズとしての活動はコンテンポラリーに多くの作品として残っており、それはリーダー作品やサイドとしての参加作品であります。私の記憶している限りでは、この「今日の1枚」でそんなコンテンポラリー作品を二枚取り上げています。今日取り上げる作品もコンテンポラリー時代のもので、プレヴィンの代表作とする方も多い作品です。

 ベースのレッド・ミッチェル、ドラムのフランキー・キャップと数ヶ月に渡るツアー後に、同メンバーで録音されたものです。

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 この作品でのプレヴィンは他の作品に比べて、間をしっかりと取る演奏になっています。騙り口数少なめながら、自身の感情を他の作品よりもしっかりと伝えています。このスタイルは、プレヴィンが演奏したかったスタイルなのでしょう。

 そしてそれを可能にしたのは、ベースとドラムとの相性の良さです。レッド・ミッチェルの刺激的ベース演奏も素敵ですし、フランキー・キャップのドラムもしっかりとプレヴィンを支えております。フランキー・キャップは知名度が薄い方ですが、多くの歌手から歌伴で引っ張りだこだった方です。こんな経験が生きているのでしょう。

 プレヴィンのジャズプレーヤーの姿を強く見せている作品と同時に、堅実なドラム奏者の役割を実感した作品でした。