コンテンポラリー所属のピアニストである、アンドレ・プレヴィンとラス・フリーマンの共演作品であります。バックは、シェリー・マンのドラムだけであり、敢えてベースを外しております。曲は野球関連用語を用いたタイトルが付けられた二人のオリジナルが中心。兎に角この作品は、楽しく聴き終えれば良しとするものでしょう。ジャケットにしてから、そんな感じです。
冒頭は『私を野球につれてって』です。メジャー・リーグで7回の表が終わったら流れる曲です。スタンドの観客は立ち上がって歌い、また背伸びをするそうです。この曲を二人は、笑顔あふれる演奏を行ってます。
2曲目以降は二人のオリジナルが並んでいるのですが、そこでは一転してピアノによる芸術性の追求のような演奏です。少々違和感を感じながらも、高い演奏力の二人に関心しながら聴き進みます。
そして圧巻はフリーマン作のタイトル曲です。一軍と二軍を行ったり来たりしているような選手と、それを見守る母親の、哀しさを味わいながらも熱い夢を感じる強い気持ちを感じます。この1曲のために存在する盤と言ってもよいでしょう。