2008年8月3日掲載
Tommy Flanagan            Overseas
Metronome原盤               1957年8月録音

 トミ・フラの代表作であるオーバーシーズを、今日は取り上げます。

 スウェーデンのメトロノームから3枚のEPで発売され、その後にプレスティッジからLPで発売されたと、この作品のことを記憶しております。そのプレスティッジでのジャケットはCが何個も並べられたもので、この作品のジャケットとして誰もが知っているものです。そちらは国内発売のものを持っております。

 そして、1986年にDIWから「the complete "Overseas"」というタイトルで、CDが発売されました。今日紹介するのは、そのCDであります。ジャケットは、メトロノームで使用されたものです。ウィルバー・ウエァとエルヴィン・ジョーンズと録音した、名高いこのピアノ・トリオ作品が、何故DIWから発売されたのかは、残念ながら分かりません。

20080803

 音が踊るようなパーカーの『relaxin' at camarillo』、顔を下に向け川を見ながら思いに耽るエリントン楽団の名曲『chelsea bridge』、そしてトミ・フラの名曲で炎天下での陽気さが表現されている『eclypso』。最初のEP盤に収録されている、この3曲が白眉でしょうか。いやいや、トミ・フラの名曲が『dalarna』『verdandi』と2曲並び、最後がお見事なバラッド『willow weep for me』で閉めている2枚目のEP盤も、なかなかのもの。

 結局、全部が良いのですが、それは3人の音の魅力によるものでしょう。昨今のピアノ・トリオ作品と比べながら今回改めてこの作品を聴いてみて、名盤たる実力を再認識致しました。