1932年にテネシー州に生まれたニューボーンは、23歳でNYに渡った年に、最初のリーダー作品を吹き込む機会を得ました。バックはオスカー・ぺティフォード(b)とケニー・クラーク(d)という、豪華なものでした。恐らくニューボーンの作品の中で、最も語られることが多い1枚でしょう。
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左手も流暢にメロディを奏でているだけに、音の広がりがなかなかのもの。ソロとトリオが味わえる『all the things you are』が聴きものでしょう。また『Afternoon in Paris』での、落ち着いた日差しを感じさせるピアノも、なかなかのもの。この作品の持ち味は、繊細さの中にあるブルース・フィーリングの広がりの楽しさでしょう。