1999年3月27日掲載
Shelly Man          my fair lady
Contemporary原盤   1956年8月録音

 2年近くもヒット・チャートの上位にあったジャズ史上空前のベスト・セラー・アルバムです。リーダーはウェスト・コーストを代表するドラマーのシェリー・マン、ピアノは録音当事は映画音楽の大家として、また1960年代後半にはロンドン交響楽団の正指揮者になったアンドレ・プレビン、ベースはウォーキング・ベースで独特なリロイ・ビネガーの3人で録音された、ピアノトリオ・アルバムです。題材は“ウェスト・サイド物語”と 並び、1950年代を代表するミュージカルの“マイ・フェア・レディ”です。大ヒットの理由を、映画の場面を思い浮かべながら聞いてみます。

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 プレビンはどんなタイプの曲も、独特の明るい雰囲気のピアノで、彼の世界に持っていきます。シェリー・マンのドラムはプレ ビンのピアノに合わせるように軽快なタッチで叩いており、時々覗かせる彼のオカズが実に気持ち良く決まっています。ビネガーのベースは正に彼独特のウォーキングスタイ ルですが、ここでは全体の流れを支えるベースを弾いていますが、ビネガーの魅力は充分感じられます。やはりミュージカルの大ヒットと、このアルバムの聞きやすさが重なっての結果ですかね。