私はピアニストのジェリ・アレンを好きで買っていた時期がありまして、この「今日の1枚」でも4枚紹介してきましたが、この作品が私が持っている最後のジェリ作品になるかと思います。
この3人の共同名義のNYでのライブ作品は、日本の会社の制作で、全9曲メンバーのオリジナルを演奏しています。
内に向かって燃える演奏をするアレンさんに、ベテランの域に達した二人が若々しく迫っていく演奏を全編で繰り広げております。
私がアレンさんの作品を買っていた1990年代から2000年代前半までの時期には、アレンさんも中心にいた新鋭たちが意欲的な活動を行ってました。封入解説で悠氏が述べていますが、それらの作品は彼らの活動拠点であるアメリカでは制作されず、ヨーロッパや日本のレーベルで制作されていました。考えてみれば、この時期より20年前のロフトジャズが盛況だった時も、レコーディングの機会を与えていたのはヨーロッパのレーベルが中心でした。この辺りのことは、その活動の中にいたミュージシャンは苦々しく思っていたのでしょう。
ジャケに映る3人、特にアレンさんの凜とした表情には、自分の信じる道を進んでいる人間の決意が、演奏内容と同様に現れています。