何故だかカナダのバンクーバーにあるジャズ・クラブ発売の作品が気に入り、かつてここで4枚取り上げました。今日取り上げるのはUGETSUというバンドの、セラーで行われたライブ作品です。
UGETSUのメンバーは、Brad Turner(tp),Rod Murray(tb),Jon Bentley(ts),Ross Taggart(p),Andre Lachance(b),Bernie Arai(ds)というもの。バンド名からしても、楽器編成からしても、JMの影響が強い演奏なのでしょう。
なお1990年代に同名のバンドが存在し、数枚の作品を残していますが、どうやら全くの別物のようです。
かつてのジャズ黄金期の熱気が、バンクーバーのジャズ・クラブで蘇ったかのような演奏です。勿論オーバーな表現ですが、なかなか最近のジャズでは味わえないパワーが、この作品にはあります。恐らくはこのクラブで定期的に演奏していて、かつ観客も顔馴染みの方々なのでしょう。会場全体で盛り上がっている感じがあります。
3管では、トランペットのブラッド・ターナーの奮闘ぶりが目立ちます。でも全体では、ベースのアンドレ・ラチャンスの存在が印象に残ります。しっかりした演奏で、全体を締めております。メンバーのオリジナル曲にも良いのがありましたが、最も印象に残ったのは、JMが1961年にBNに残した『Backstage Sally』です。捻り技など全く無く、ストレートに演奏されるジャズの楽しさは、時代とは関係なく光り輝いています。