2005年8月28日掲載
The Uptown Quintet    Live In New York
Cellar Live原盤             2004年4月録音

 セラー・ライブというレーベルは、ここでは既にお馴染みですね。ピアニストのライブや、アレキサンダー率いるクァルテットのライブを、取上げてきました。しかしそれらは、バンクーバーにある レストラン・セラーでのライブ演奏。しかし、今回の作品は、ニューヨークのスモークでのライブ作品です。何かレーベルの趣旨からは違うような気がしますが、トランペットのライアン・カイザーの実質リーダー作品と思い、セラー・レーベルいうことで購入しました。

 カイザーは1枚しか持ってなく、しかも良い印象ではなったので、もう1枚位買ってみようかとの考えです。Spike Wilner(p), Ian Hendrickson-Smith(as),Barak Mori(b), Charles Ruggiero(d) との演奏です。

20050828

 1曲目は、Ian Hendrickson-Smith作のマイナー・ブルース。テーマ-as-tp-p-b-テーマと演奏が続き、ハード・バップの教科書通りの演奏であり、魂の入った演奏となっています。続く2曲目はSpike Wilner作の陽気なアップ・テンポの曲。2管の気合の入ったソロの後、ドラムと2管の8バース交換。そしてドラムのソロ。3曲もWilner作のもので、バラッド。甘く切ない演奏を、ペットとアルトが交互に表現しています。4曲目はロンネル・ブライト作のミドル・テンポの曲を演奏し、続く5曲目にカイザー作のカリプソを演奏しています。静かなカリプソ。アルバムの間に挟む曲にはピッタリの、並に良い曲です。ここでのカイザーの演奏を聴いていると、周りが頑張るクィンテット編成でのリーダー作品が良さそうな方です。6曲目にはソニ・クラ作の名曲「ブルー・マイナー」で熱気最高潮に達して、続く7曲目にSpike Wilner作のブルースを演奏して終っております。

 JMそっくりの演奏といったら批判しているようですが、あのクオリティを現代に違和感なく再現出来るのは、そう簡単なものでないです。寛いだ熱気を狙った演奏です。ハード・バップ黄金時代の熱気を、現代風に軽く演奏した良い作品です。