バンクーバーにある Cellar というレストランは、「Vegetable and Bean Chili with Chipotle Peppers and Lime With baked cheddar and Monterey jack cheeses and garlic toast」というようなメニューがある店である。オーナーはジャズ好きの Cory Weeds氏であり、ジャズ・ライブもお店で行っているのだ。
そこまでは日本でも数多くあるパターンなのだが、Cory Weeds氏はもう一歩踏み込んで、そこでのライブをCD発売しているのだ。しかも今まで10作品をリリースしており、そこにはアレキサンダーやブライアン・リンチも含まれている。
そんな中の1枚が今日取上げる作品である。Bruno Hubert は40歳手前と言う風貌。鍵盤柄のネクタイを締めており、ピアノを弾く姿は気合が入り過ぎている感がある。トリオ作品です。
僕は演奏派ではなく、と言うか楽器が出来ないので、演奏の上手い下手は言えないのです。しかし、このピアノは下手だよね。『all blues』と言った数々の名演が思いつく曲に至っては、その下手さがはっきりしてくる。
しかし、何とも言えない味があるのも事実。コール・ポーター作のタイトル曲は、カークの熱演でもお馴染みの曲。時にはバラバラになってしまう演奏の中に、力強く決まるフレーズが潜んでいます。昔好きで聴いていたショーケンの歌に通じる魅力があるのだ。
しかし、この人はこの1枚で終わりであろう。何枚も聴くものではない。一世一代のCDといえるものだ。まさにタイトル通り「信じられない」気持ちになる。