ネット通販店DNのキャッチ・コピーに、「最近のバロン作品ではこれが好きです」とのコメントがあり、購入した作品です。確かに最近のバロンは充実しており、特に1996年録音のライブ盤は素敵なものでした。しかしこのエンヤ盤は1985年のもの。この時期のバロンの出来が楽しみです。
また共演者が興味深いもの。デイブ・ホランドにダニエル・ユメールですからね。
デイブ・ホランドの演奏するベースの存在が、バロンのピアノに大きく影響を与えているように感じます。ホランドについては、香港で2度ライブに接しましたが、独特のうねりが特徴的な演奏だと、実感したものでした。この作品では、タイトル曲と『the third eye』における演奏で、バロンにそうねり感が乗り移っているようです。バロンについては多言出来るほどおおくの作品を聴いておりませんので、この時期にのバロンの特徴なのかも知れませんがね。
他の曲ではバロンの美感覚が強く発揮されており、特にソロで演奏した『song for abdullah』でそれが顕著になっております。
このうねりと美が合体したのが、『quiet times』です。 しかし全体を通すと、アルバムとしての統一感にかける印象が残ってしまい、残念な点であります。
余談としてですが、何曲かは聴いたことがある気がします。このジャケはオリジナルのままなのですから、この『Scratch』を持っている訳では無いのです。しかし聴いたことがある。そんな思いで聴き終えました。