オリン・エヴァンスの新作を取り上げます。このピアニストに関しては、過去3枚の作品を取り上げてき3ました。今回の作品は、Ralph Bowen(as,ss), Mike Boone(b), Byron Landham(d) とのクァルテットが基本で録音されています。そこに1曲だけ J.D. Allen ts)が参加。そして曲によりベースとドラムが、Eric Revis(b) と Rodney Green(d)に変わっております。
前作のトリオ作品が良かっただけに、今回もトリオ作品を願っておりましたが、そんな思いを打ち破る作品であることを願って聴きます。
エヴァンスのピアノから叩き出される力強いリズムと、ボーエンのソプラノ・サックスから流れる幻想的な調べが、彼等ならではなの世界を作り上げています。エヴァンスが縦軸でボーエンが横軸で、聴いている最中は心が常に縦か横に引っ張られる感じです。また静と動の表現が上手い。静はボーエン作の『for me』、動はエヴァンス作の『don't fall off the L.E.J』が秀逸かな。長年コンビを組んでいる二人だけあって、息の合い方はバッチリですね。
昨年4月にクリス・クロスからボーエンのリーダー作が出ており、そこにエヴァンスも参加しております。是非とも聴いてみたいです。