2000年12月10日掲載
Orrin Evans       Listen to The Bnad
Criss Cross原盤   1999年6月録音

 今年の2月に、このオリン・エヴァンスの「Grown Folk Bizness」を取り上げました。重量感溢れる独特のタッチのピアニストと書いたのですが、そこでは主にピアノ・トリオでの演奏でした。彼にとって何作目のリーダー作になるか分かりませんが、前述の盤からちょうど1年後の吹き込みの本作品は、サックスを2本にペットを1本入れたものです。この1年間の彼の演奏スタイルの変化が、楽しみです。

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 何風って聞かれれば、新主流派の感じってことになるのだけれど、エヴァンスのピアノの存在感に圧倒される内容になっています。打楽器としてのピアノを存分に認識し、鍵盤楽器としてのメロディの豊かさに驚きます。そして何よりも、このバンドの存在感。当然ながらエヴァンスが前面に出ているのですが、他の5人との息もピッタリ合っています。Ralph Bowen(ts,as),Sam Newsome(ss),Duane Eubanks(tp),Reid Anderson(b),Nasheet Waits(d)というメンバーを擁したこのバンドは、21世紀のジャズ界にとって大きな存在になることでしょう。

 僕が聴いた今年発売された作品の中で、自信を持って傑作と言える作品。「Listen to The Bnad」というアルバム名に、思わず肯く作品です。