ここでオリン・エヴァンスさんを取上げるのは、3枚目になります。1998年録音の「Grown Folk Bizness」と1999年録音の「Listen to The Band」であります。共にここで僕が絶賛した作品であり、前者がトリオ+クァルテット、後者がシックステットでの演奏でしたが、今日取上げる盤はクレジットを見る限り完全ピアノ・トリオでの演奏です。
残念なのは、ジャケット。前の2作、特に「Grown Folk Bizness」のジャケは秀逸だっただけに余計残念なのですが、中身に期待しましょう。
ピアノの一粒一粒の音が持っている芳醇な響きと、ベースの弦が弾かれた瞬間に大きな胴体が響き渡る迫力を、高次元で記録した盤である。音にうっとりである。演奏自体は少々トンがり過ぎて、頭でっかちになってしまっている部分が見受けられたが、「Anysha Ⅰ」と「Anysha Ⅱ」での美しさには感動モノ。
大げさに騒ぐ盤ではないが、楽しめる1枚。