ペギー・リーは、1952年から1956年までのデッカ時代に、何枚ものヒット作を吹き込み、大スターの仲間入りをしておりました。そのデッカ時代の作品の中からこのコーナーでは、「black coffee」・「Dream Street」・「Sea Shells」という3枚の作品を取上げてきました。
今日取上げるのは、デッカからキャピトルへ移籍して、最初に吹き込まれた作品です。編曲にはネルソン・ドリル、指揮者には何とあのフランク・シナトラであります。
柔らかくて優しい声。そして、フル・オーケストラの優雅な演奏。この時代の白人女性歌手に求められていたものの最高峰が、この作品の雰囲気なのでしょう。
タイトル曲がやはり白眉でしょうか。穏やかなバラッドであり、愛する男性の登場を願っている純粋な曲。こんな曲は、歌う人によって、様々な表現が可能になります。ある本によれば、この曲を得意としている歌手として、ペギーの他に、ビリー・ホリデイ,エラ,そしてダイアン・シューアを挙げています。個性豊かな方々が、その個性を存分に発揮して歌っているのでしょう。ペギーさんは、恋に奥手なお嬢様育ちの女性の雰囲気を出しております。