大御所ペギー・リーの作品は数枚持っておりますが、このコーナーでは開始直後に彼女の大名盤「ブラック・コーヒー」を取り上げただけでした。デッカに彼女は多数の吹込みを行っているのですが、主な作品はポップス系のものですが、ジャズ作品と言えるものも吹き込んでおります。その代表作は「ブラック・コーヒー」等であり、その陰に隠れた名盤が今日取り上げる作品だそうです。
ここで彼女の経歴を少し紹介します。1920年にノースダコタ州で生まれた彼女は、小さい頃から教会合唱団で歌い、高校時代にはグリー・クラブのメンバーだったとのこと。19歳の時に僅かなお金を持ってハリウッドに行きましたが、仕事にありつけずに帰郷。その後細々と歌っておりましたが、ある時にグッドマンの夫人に認められ、グッドマン楽団に迎えられました。その後は、結婚・瞬間引退もあったのですが、1944年に芸能界に復帰し、スター街道一直線だったそうです。
さてこの経歴は青木啓さんの国内盤解説から引用しました。書きながら高校時代に参加したグリー・クラブとは何かと調べたら、男声合唱クラブとのこと。少々頭が混乱してきましたが、久し振りに聴いてみます。
この作品を含めてペギー・リーの作品を数枚買ったのは、1980年代後半のこと。その時には、正直言って彼女の魅力が分からなかったことになる。この艶かしい歌声が、30歳前の僕には理解出来なかったのであろう。ハスキーで消え入りそうでしっかりと歌う歌唱を理解するには、若すぎたと言うことであろうか。
兎に角、今回は惚れこんで聴きました。スローからアップ・テンポまで、どんなタイプの曲でも、彼女の魅力が発揮されている。その中で今日は、彼女独特の色気が最大限に効果を発揮している「dancing on the ceiling」が良かった。シナトラ等の熱唱で有名な曲らしいが、そんなに記憶に無い曲。あまり知らない曲に出会えたという意味では、アップテンポで迫ってくる「something I dreamed last night」も良かった。
隠れ名盤と言われるだけの内容です。