イギリスの素敵なジャズ歌手だったマーティンさんは良かったな。でも、ポップス作品ばかり立て続けに発表して、ジャズ・ファンが彼女から離れていったんだよな。
今日取り上げるのは、ジャズ歌手時代の作品です。
暖かく包み込むハスキー・ヴォイスと、高い歌唱力とメリハリがある歌い方といい、素晴らしいジャズ歌手です。彼女の自作曲にも良いのがありましたが、今回聴いて痺れたのは、John Mandel作の「close enough for love」です。スロー・バラッドをマーティンさんはギターをバックに、切々と歌っている。様々な情景が浮かび上がってきて、心地よく背中に流れていきます。またスタンダードとは言い難いこの曲を引っ張り出してくるセンスの高さに、感心しました。
このようにジャズ作品を出していけばとの思うのですが、マーティンさんは1996年からポップス作品を4枚続けて発表し、ジャズ・ファンが彼女から離れていきました。
そんな流れの中でマーティンさんは、昨年再びジャズ作品を発表したのです。既に入手済みですので、折を見てこのコーナーで取り上げます。