2021年11月10日掲載
McCoy Tyner with Stanley Clarke and Al Foster
Telarc原盤                                     1999年4月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、250円で購入した作品です。

 マッコイ・タイナーは1990年代終盤も、コンスタントに活動していました。この「今日の1枚」では1997年録音作品を取り上げており、1998年にも本作品と同じテラークにラテン作品を残しているようです。

 音が良いテラーク、とこの当時は呼ばれていました。本作品のブックレットを見れば、録音に使用したマイクや、その録音をチェックしたモニター・スピーカーについての記述もあり、制作会社としての強いこだわりを感じます。

 そのモニター・スピーカーは、Paradigm Active 20 です。これはブックシェルフと分類されるサイズのスピーカーですので、家庭で再生した際の音を求めていたのでしょう。

 マッコイのトリオ作品です。

20211110

 それぞれの楽器が微小からこれでもかの大きさの音まで、逃さず濁さず鳴ること。そしてその楽器たちが重なった際に、互いを邪魔ぜすに一緒に鳴ること。これが完璧レベルまでいけば、まさに再生音楽鑑賞の最高峰を体験できることでしょう。このコンパクト・ディスクにはそれが収まっており、私の再生装置がその数割のものを響かせようと頑張ってくれています。

 ピアノ・トリオの音の魅力を味わいながら、この3人の切れ味に感心し、マッコイ作の曲での緊張感の高い演奏に背筋を伸ばす場面もある作品です。その中で、マット・デニス作の「Will You Still Be Mine」でのゆったり陽気な演奏に、心が温まった瞬間が印象的でした。