ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、290円で購入した作品です。
大々的に解散コンサートを行い、その記念アルバムを発売したのに、「熱いご要望に応えて」復活するMJQを傍目で見ていた私は、プロレス界で言えばテリー・ファンクかと思って眺めていました。一方でそのMJQのリーダーのピアニストのジョン・ルイスだけを見れば、その堅実な活動から、プロレス界ではジャック・ブリスコのような存在かなとも思っていました。
ソロ活動でのジョン・ルイスですが、ディスコグラフィを見る限りでは、1990年代に入ると発表した作品は本当に少ないものです。2001年3月にお亡くなりになっていますので、体調面が理由だったのかもしれません。
そんな中で1999年に制作されたこのソロ・ピアノでの作品は、MJQでのナンバーや自分のオリジナルを中心に、自分の好きな曲を集めたとのことです。78歳にしても「進化・発展」を意識しているジョン・ルイスの演奏を聴いてみます。
これぞMJQ、ジョン・ルイスの真髄と感じる「ジャンゴ」での演奏は、その広がりと深まりの世界に包まれて、彼の真摯な姿に感嘆する内容です。
一方で「チェロキー」では、この曲が持つ陽気な楽しさを抱えながら、彼の世界に染めていく演奏で、聴き入っていくものです。
日本盤ボーナス・トラックの「アイ・ラヴ・ポーギー」での彼なりの愛おしさの表現に浸りながら、全12曲を気分良く聴き通した作品でした。