レスター・ボウイが加わったロスコー・ミッチェル&アート・アンサンブルは、1969年から1年の間、パリで活動を行っていました。膨大な数のスタジオ録音も行い、本作品はそんな中からに一枚です。
本作品はフランスのカーソン・レーベルのためのレコーディングだったのですが、それをジュエル・レコード傘下のポーラが発売の権利を買ってリリースになったとのことです。
「乱れ打つアフロ・パーカッションが鳴り響き躍動する5人の熱き姿を録音した初期傑作!」を、聴いてみます。
(2012年国内発売CDの封入解説と帯から引用)
ドン・モイエを中心にした全員での打楽器の音の流れ、またマラカイ・フェイヴァーズのベースが重い雲のように漂う空気、緊張感が走ります。そこにレスター・ボウイのトランペット、ロスコー・ミッチェルとジョセフ・ジャーマンのサックスが突き刺さっていき、彼らの世界が作られていきます。
聴くものを包み込む演奏からはほど遠い世界ですが、所々に滑らかな速度で入っていける場面があり、そこからは凶夢と吉夢が交差する世界に浸れます。