2019年8月5日掲載
Anita O’Day     Swings Cole Porter With Billy May
Verve原盤        1959年4月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、250円で購入した作品です。

 「今日の1枚」でヴォーカル作品を395枚取り上げてきましたが、大御所アニタの作品は大名盤1枚だけでした。お高い、生意気、冷たい、そんな風に感じたアニタを避けていました。そんなことは大名盤を取り上げた際に書きましたが、その折にアニタを少しは聴いてみようと書きました。それから14年経ち、中古CD半額セールでようやくその思いを実行できました。

 1940年代初めからスターだったアニタですが、1950年代にはスランプで酒浸りだったとのことです。そんな時期のアニタに手を差し伸べたのはノーマン・グランツであり、アニタはヴァーヴに多数の作品を吹き込み、再び脚光を浴びたのでした。そんな脚光アニタさんのコール・ポーター集を、今日は取り上げます。ジャケに目を移せば、自分よりはるかに年上の男性にブランコ遊びを付き合わせているかのもの。もちろん制作側の演出ですが、これを生意気女と感じてしまうのは、私のアニタとの相性の悪さなのでしょうか。ブランコおじさんはビリー・メイ、私は存じませんが業界の大物のお方。こんな演出のジャケは断れよ、そんな風に感じますが、内容は如何なものでしょうか。

20190805

 歌は上手いのでしょう。テクニックも十分なのでしょう。確かにリズムの掴み方はチップクラスの風格です。

 しかし惹きつける魅力がない、歌声に色気を感じない。これはもちろん「私にとっては」ですので、アニタは自分にとって合わない歌手なのです。

 さすがはコール・ポーターですので慣れ親しんだ曲のオンパレードですが、気持ちが入り込まずに聴き終えました。