カーステン・ダールというピアニストの作品を、今日は紹介します。
ダールについては、「Minor Meeting」という2001年録音のトリオ作品を、この「今日の1枚」で取り上げたことがあります。その際には、「三位一体好演の見本のような作品」と感想を書きました。今回のは、それから4年から6年後に録音された作品です。マッズ・ヴィンディングとアレックス・リールという、当時の欧州最高のメンバーでの演奏になります。
3年間のライブから選ばれた演奏のようで、人生の侘び寂びというか、喜怒哀楽というか、そんな誰もが感じる感情を突き詰めているようなトリオでの演奏になっています。白眉はデンマーク民謡であろう「Maria Grennem Torne Gar」です。人生での良き瞬間と思いのようにいかない辛い瞬間を思い出しながら、静かで奥深い演奏に聴き入りました。