トニー・ウイリアムスは1980年代中盤以降に、ブルー・ノートに作品を吹き込んでおりました。当時は好きで結構集めておりましたが、その後は聴き返す機会が殆どありません。
このコーナーでは、この時期のトニーを2枚取上げております。1985年録音の「foreign intrigue」,1986年録音の「Civilization」でありました。今日取上げる作品への参加メンバーは、Wallace Roney(tp),Bill Pierce(ts,ss),Mulgrew Miller(p),Ira Coleman(b),Bob Hurst(b)であります。
購入当時の僕は、恐らく時代体験をしたいとの思いが強かったのかもしれません。この時代のジャズを聴きたかったのでしょう。所謂、新伝承派と言われるサウンドが溢れている中で、好みに近かったのが、ブランフォードとこのトニー辺りだったのでしょう。今聴き返すと、1950年代後半から1960年代前半の演奏スタイルから、汗たらたらの迫力を剥いでしまったような、見せ掛けの熱気での演奏です。当時は、この「熱気」に新たな息吹を感じていたのかも。BNの1500番台や4000番台の作品は常に入手出来る状況が続いておりますが、この時代の作品は中古盤で探すしかない状況。マーケットがこの時代の演奏に、答えを出しております。