カメラマンの内藤忠行氏は、マイルスを撮ったりしていたので、ジャズ・ファンならば、名前を聞いたことがある方でしょう。このカメラマンは、縞馬も被写体としてこだわっていたようです。スチールだけではなくビデオでも縞馬を追っかけており、1986年に「ゼブラ」というビデオ作品を発表しました。本作品は、そのビデオ用の音楽です。ドラム奏者とトランペット奏者のデュオ。
ディジョネットは、スペシャル・エディションで「アルバム・アルバム」という傑作を吹き込んだ翌年の演奏。レスター・ボウイは、AEOCや自身のユニットで、多彩な活動を行っていた時期の演奏です。ジャケは勿論、内藤忠行氏によるものです。
全5曲、ディジョネットによるもの。最初と最後は『ヌトロ』という曲。もし新感覚の西部劇が作られたら、その映画で流したいような内容です。ディジョネットがシンセで単純なメロディ・パターンを繰り返し、ボウイのトランペットが様々な色を付けていく演奏。影を背負ったガンマンの苦悩が表されている曲です。砂漠を馬に乗って走っていく光景が、目に浮かびます。そう言えば、この作品は縞馬ビデオ用のもの。その辺りが、ディジョネットが意識したイメージなのでしょうか。