2006年5月20日掲載
Ornette Coleman     Science Fiction
CBS原盤                   1971年9月録音

 イラストだと思ったジャケットですが、クレジットをみると"cover photo:Robert Eimfoot」てっきりと記されておりますので、ジャケットは写真なのでしょう。このRobert Eimfootさんを調べようとネットで検索しましたが、1件も該当なしでしたので、無名の方なのでしょう。

 またクレジットには「Art Design:Ed Lee」との記載があります。想像するに、写真をかなり加工したものが、ジャケットに使われているのでしょう。太陽らしきものが5つ写っているジャケットですが、多重露出でないことは、きっちりと弧を描いていないことから明らかです。そして虹を含めて、見れば見るほど不思議な光景であります。

 さて、オーネット・コールマン。この年のオーネットは、4月にアリス・コルトレーンのセッションに参加しています。そして10月からは欧州公演を2ヶ月ほど行いました。その欧州公演の直前に吹き込まれたのが、本作品になります。全8曲収録されています。全ての曲に、チャーリー・ヘイデン(b)とビリー・ヒギンズ(d)が参加。それをベースにして、ドン・チェリー(tp)が加わってのクァルテットで2曲。またデューイ・レッドマン(ts)が加わってのクァルテットでは1曲。そしてこのレッドマン入りクァルテットに、何人ものミュージュシャンが加わって5曲演奏されております。

20060520

 ドン・チェリーが加わった2曲は、1960年代の演奏の流れを彷彿とさせるもの。この二人のコンビネーションの良さを再認識する、刺激的な演奏です。しかし、それ以外の曲には、まだまだオーネットが新しい展開を求めて試行錯誤している様子が伺えます。そしてこの試行錯誤は、この翌年に録音された「アメリカの空」で、花開くことになります。

 またこの「Science Fiction」のセッションからの拾遺集として、「Broken Shadows」という作品が、後年発売されております。