バーネル・フォーニエは、ニューオリンズで1928年生まれました。高校時代から既にプロのドラム奏者として活動しており、1949年から1953年まではテディ・ウイルソン、1953年から1955年まではノーマン・シモンズ・トリオで活動しておりました。そんな彼の名前を一躍有名にしたのは、1956年から1960年代半ばまでアーマッド・ジャマルのトリオに加わっていたことでしょう。その後もコンスタントに彼は活動を続けており、その中にはクリフォード・ジョーダンのグループでの活躍もありました。
本盤はバーネルが脊髄を損傷して演奏活動から身を引く4年前に吹き込まれたものです。ピアノにはクリフォード・ジョーダンで一緒だったケヴィン・オコネルを迎え、ベースにはビクター・スプロールスが参加しております。バーネルの自作を中心にして13曲収録されており、1曲だけ歌入りであります。
1曲目のフォーニエ作『Perugian Vibration』は、メランコリーな曲調。これを演奏するフォーニエとオコネルには華はないが、真摯なジャズへの気持ちが伝わってくる演奏です。その他の曲でも二人の信頼関係から暖かい演奏が聴けるのですが、退屈な感じになってしまうことが間々あるのが、正直な感想です。
そんな中にあって、1曲だけクリフォード・ジョーダン作の『a prayer for the people』が演奏されています。クリフォード・ジョーダンのグループで、フォーニエとオコネルが何度も演奏していた曲なのでしょう。二人が微笑みながら演奏している姿が浮かんでくる内容でした。