Joe Lock のライブ作品で述べたマイク・ルドンの新譜を、今日取上げます。昨年11月下旬の一時帰国の際に、ようやく入手したものです。Ron Carter(b), Joe Farnsworth(d)とのトリオ作品です。僕の愛聴盤「 To Each His Own」のような内容を望んでおります。
最近の快調なルドンのレコーディング振りをこのコーナーで何度も取上げてきましたが、このピアノでのリーダー作品は快調とは言えないもの。よく言えば情念を内に秘めた演奏と言えるが、秘め過ぎで訴えかける刺激がない演奏です。カーターとの相性の悪さもあるかも知れませんが、単にルドンの調子が陰に向かっていたのでしょう。
また録音エンジニアはヴァン・ゲル。1950年代ならばヴァン・ゲルのピアノ録音も聴けるものなのでしょうが、デジタル全盛の時代にヴァン・ゲルのピアノ録音には厳しい感想となってしまいます。
期待が強すぎただけに、どうしても辛口評価となってしまいました。