2005年12月7日掲載
Joe Locke           Rev-elation
Sharp Nine原盤    2005年4月録音

 マイク・ルドンが最近の好みのピアニストなのですが、そんな彼の新譜が10月のネット通販店DNに掲載されました。申し込もうと思った時には既に売り切れており、次回入荷時の予約をしました。そんなことから3週間ほど過ぎた11月上旬に一時帰国し、新宿ユニオンに行きました。マイク・ルドンのコーナーを見たら予約した新譜があり、ネット通販店DNには再入荷していない状況なので、何とも歯痒い気分になったのです。

 そんな気持ちのままルドンのコーナーを眺めていたところ、今日取上げる作品が置いてありました。しかしルドンはサイドでの参加。主役はヴァイブ奏者のジョー・ロックであります。ネットで彼のサイトを見たところ、1994年からリーダー作を発表しており、この作品で17枚目のリーダー作品となるお方です。僕自身は印象に残っていない方なのですが、作品枚数からしますと、人気のある方のようです。

 ボブ・クランショウ(b)とミッキー・ロッカー(d)というベテラン二人が脇を固めているクァルテットで、ロンドンの有名なロニー・スコット・クラブでのライブ録音。

 ミルト・ジャクソンに捧げた作品のようです。

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 爽やかなグルーブ感が、この作品の印象。サラッとしたヴァイブだが、うねりとブルース感覚、特にリズムの強さに感心しました。そして絶好調のルドンと一緒なのだから、なおさら盛り上がってくる演奏です。

 『young and foolish』では、リズムの気持ち良さに身を沈められます。『the look of love』では、メロディを大切にしながらもリズム強さを保っている演奏。ルドン作のお馴染み曲『Rev-elation』では、フェンダー・ローズをルドンが披露しており、ロックのヴァイブと至極の楽しさを表現しています。『close enough for love』では、恋の哀しさを表現。他にもシルバーの曲を取り上げながら、絶好調のライブとなっています。

 また、この中堅二人を支えているベテラン二人のベースとドラムも、重要なポイントでしょう。

 唯一のロックのオリジナル曲で軽いブルースの『big town』、そしてノリノリなブルースの『used to be jackson』で、この作品は幕を閉じます。好きなヴァイブ奏者と言えばレム・ウィンチェスターくらいであった僕に、新たな好みのヴァイブ奏者が加わったと言える作品であります。

 また、今年のベスト・テンをと言われたら、躊躇なく選ぶ作品であります。