打楽器奏者のカヒル・エルザバーの作品で真っ先に思い出すのが、1980年代後半にサウンド・アクセプツにレスター・ボーイ等と吹き込んだ作品と、このマレイの作品であります。レスターとの盤はこのコーナーでとっくに取り上げたと思ってましたが、LPで持っているためなのか、未掲載でありました。このエルザバーの詳しい経歴は分かりませんが、現在も順調に活動している模様です。2000年にトリオでジャスティン・タイムに吹き込んだ作品を、以前ここで取り上げましたね。
今日取り上げるマレイとのデュオ作のクレジットを見ると、エルザバーは5種類の打楽器を使っております。かたやマレイは、いつもの通りにテナー・サックスとバス・クラリネットで、この録音に臨んでおります。
木琴のような楽器を使うエルザバーとバス・クラのマレイが、牧歌的な雰囲気の中で演奏しているエルザバー作のタイトル曲が秀逸。同様の内容でマレイはテナーを吹いているマイルス作の「all blues」もなかなかのもの。またアップ・テンポのブルースを、エルザバーは普通のドラムで、マレイはテナーで演奏しているエルザバー作の「sweet meat」も、聴き応え十分の内容。
やはりデュオで1時間近い内容ですと、間が持たなく場面も見受けられますが、聴き所はたっぷりと用意されている内容です。マレイの柔軟さ・優しさに感心し、またエルザバーの効果的な音の使い方に感心した1枚です。