この「今日の1枚」では、マレイとの共演作でお馴染みのカヒル・エルザバーの作品を、今日は取り上げます。共演はレスター・ボウイ,クラリネットのラファエル・ギャレット,そしてマラカイ・フェイヴァースと、豪華な方々です。
ちなみにこの作品はシカゴのワン・フライト・アップというスタジオでの録音ですが、ネットで調べてもこのスタジオの情報を得られませんでした。
東アフリカの楽器に親指ピアノと呼ばれるものがあります。木の箱に金属の平たく長いものを取り付け、それを弾くことによって金属の響きと箱との共鳴の音を出す楽器のようです。いく種類もあるようですが、その中にサンザと呼ばれるものがあり、カヒルはこの作品のレコードでいうA面2曲で、そのサンザを使っています。金属ながら優しい響きが、単純な繰り返しの中で独自の世界を作っております。そこにレスターのトランペットが絶妙に絡んでいき、気持ちを揺さぶる演奏に仕上げていきます。
このA面だけで価値ある作品ですが、B面では自由奔放ドラムとメンバーのぶつかり合いも楽しめます。カヒルのドラムはフェイヴァースのベースと相性がいいなと思いながら、A面の世界が頭に残った状態で、本作品は終了しました。