アンディ・シェアラーさんに関しては、ピアニストとしての作品とテナー・サックス奏者としの作品と、過去このコーナーで2枚取り上げてきました。本日取り上げる作品はテナー・サックス奏者としてのものであり、過去取り上げたサックス盤と同じメンバーしております。タイトル通りにマルに捧げた作品であり、10曲中6曲がマル作の曲であります。
マルの有名曲を取り上げていないところが、気に入りました。マルが如何に良い曲を書いてきたかが、この作品から分かるからです。1970年代以降においも、マルは素敵な曲を多く書いているのですね。
そんな例の一つが、『the seagulls of kristiansund』という幻想的な曲であります。この曲では、William Evans のピアノが、マルのメロディを素晴らしい解釈で演奏しております。そしてこの曲の前に William Evans 作の『searching for kristiansund』という曲が収められております。同様に幻想的な雰囲気の曲であり、ソロ・ピアノで演奏されていて、マルへの追悼なのでしょう。
本作品収録のマルの6曲中で最も有名なのは、ドルフィーとの熱演で有名な『fire waltz』でしょう。アンディの熱演が聴けます。この曲に置いても、この前にアンディ作の『rochade』という曲が用意されていて、アンディがサックス1本で演奏しており、マルへの敬意が表れております。
ベーシストの Isla Eckinger は『Maru-San』という曲を提供しております。これは、「マルさん」なんでしょうかね。
ワン・ホーン作品として聴き応えあるものであり、マルの曲作りの上手さを、普通とは違う角度から取り上げている作品と言えます。