2003年5月12日掲載
Silje Nergaard                   Brevet
Kirkelig Kulturverksted原盤  1994年録音

 見かけた時に買う、というのはジャズ盤買いの鉄則である。まぁ中古盤に主に言えることであるが、新品CDでも最近実感していることである。僕が今一番熱心な歌手はセリア・ネルガードさんであり、ジャズ盤買いの鉄則の重さを実感しているのが、セリア・ネルガードの作品なのだ。

 香港で昨年11月22日に行われた彼女のコンサートのロビーで、彼女の作品が7枚ほど売られていた。その時に買っとくべきだったのだ。今回HMVで2枚買って計4枚。あと3枚が欲しくて堪らないのだ。しかしこれは鉄則を守らなかった自分がいけないのであり、いつの日にか出会えることを楽しみにしていよう。

 セリア・ネルガードの作品は、2000年録音のと2001年録音の2枚を、このコーナーで取上げてきた。

 今回のは1994年録音の作品であるが、ジャケットでの表記が全てノルウェー語(多分ね)なのだ。歌詞も掲載されており、当然ノルウェー語。恐らく録音された月も書かれているのであるが、読めないもんね。

 録音時期,ノルウェー語,そして妙に大人の女性を強調したジャケ写と、気になることが多い作品です。

20030512

 声がハスキーであり、ストレートに心情を暴露している。これから6年後の録音では可愛らしさが第一印象に なっており、声質の変化が実に面白い。

 改めて思うのは彼女の作曲能力の素晴らしさであり、この作品で強く実感出来ます。英語すら聞いていた意味を感じ取れない僕には、温かみがあるノルウェー語の響きに全く違和感無しでした。

 アレンジからフォーク・ポップに聞こえる内容ですが、人間味が全面に出るジャズの魅力が彼女の訴えから感じ取れる高い内容の作品です。

 ジャケとは相反して、若若しい彼女が聴ける作品です。