ダイアモンド5については「 Brilliant!」を、このグループのピアニストのシーズ・シリンガーについては「Happy Times」をこのコーナーで取り上げましたね。
「 Brilliant!」は言わば再結成盤だったのですが、今日取り上げる作品はその全盛時代における5つのセッションを集めたものです。1959年9月,1960年7月,1961年6月,1962年2月に録音されたものですよ。
ダイアモンド5の魅力については「 Brilliant!」で触れたが、今回この作品を聴いてみると、シーズ・スモール(tp)の曲作りの上手さも、このグループの大きな魅力だと認識しました。バップ・テイストの「diamondate」,リフ・ブルースの「les halles」,のりのりブルースできめた「never mind」,陽気なアップ・テンポな「lita's dance」,軽快に突っ走る「L.M.R.」という具合だ。これがスモールのペットとハリーのテナー・サックスが、スタイリッシュな世界へと導いている。シリンガーのピアノは大きく目立ってはいないが、軽快にバックをきめている。
アルバムとしての統一性は「 Brilliant!」に及ばないのは発掘盤であるから仕方ないが、オランダ・ジャズの貴重な記録として、そしてこの時代の欧州ジャズのセンスを感じられる作品として、持っていて損はしないものである。