ジャロの柴崎さんから推薦を受けたのが、このブルー・ジャックというレーベルから発売された2枚です。「シーズ・スリンガーの新作と未発表ものだよ」とのこと。シーズ・スリンガーの名前を知っているのは当たり前のような言い方だったのですが、知らなかったもんね、このピアニスト。1960年代のオランダのモダン・ジャズ・ムーブメントを支えたお方だとか。
1973年生まれのSimon Rigter(ts),1962年生まれのRuud Breuls(tp),1969年生まれのJohan Plomp(b),1969年生まれのJoost Patocka(d)と一緒に演奏するスリンガーさんは1929年生まれです。
熱気溢れるハード・バップだ。ブルーノートの4000番台最初の頃の雰囲気。シルバー作の「barbara」、ハバード作の「happy times」が見事に決められるメンバーである。
スリンガーはジョージ・ウォーリントンの演奏が浮かぶもであり、他のメンバーは実に勢いの有る演奏を繰り広げている。
ジョニー・グリフィンがこのバンドを絶賛しているが、グリフィン作のバラッド「when we were one」での張り詰めた空気感に接しれば、頷ける内容である。美しいピアノだけがヨーロッパで持て囃されているのではないことを、強く実感できる1枚。
しばらく、愛聴盤置き場からこのCDが離れることは無いであろう。