2003年4月7日掲載
The Jacques Schols Quartet
What Is There to Say
Blue Jack原盤   1965年録音

 ダイアモンド5という1960年代のオランダの名コンボについては後日取上げるので、ここでは詳細を省きます。

 引き続きBlue Jackレーベルからの作品で、これは発掘モノです。1965年から2年間、オランダのラジオ曲に残された演奏を収めたモノです。ダイアモンド5のメンバーのうち、CEES SLINGER(p), JACQUES SCHOLS(b), JOHN ENGELS(ds)の3人が参加しており、テナーにダイアモンド5の草創期のメンバーであるルード・ブリンクが参加しております。

 いろいろ調べたのですが、この作品のポイントは絶頂期のスリンガーの参加、そしてその演奏に接することが出来ないブリンクの参加の重要性でしょう。

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 ブリンクのテナー・サックスについての感想は、誰でも同じであろう。ゲッツだ。しかしこれは賛辞を込めた表現であって、優しく穏やかに、しかしながら張り詰めた緊張感をもってメロディを吹くサックス奏者への尊敬の念である。

 スリンガーのピアノは、前日の今の演奏をウォーリントンと評したのであるが、この1960年代の演奏は少し違う。その辺りの感想は後日取上げる作品で書くとして、この盤は1960年代のオランダ・ジャズ界のレベルの高さが分かるものである。

 また発掘モノなのに、全体がスローからミディアム・テンポのバラッドで構成されていて、作品としての統一感にも優れたものがある。

 名盤といえる内容である。