デンマーク出身のドラマーのビヤルン・ロストヴォルドによる、トランペットとベースによるトリオ演奏の作品を昨年に取り上げました。それは1963年録音でしたが、今日取り上げるのは1961年に録音された作品です。
トランペットにはアラン・ボッチンスキー、ピアノにはベン・アクセン、そしてベースにはエリック・モーズホルムが参加しています。
それまではごく一部のジャズ愛好家が楽しんでいたヨーロッパ・ジャズが、1980年代後半に一気に人気となりました。その時期には本盤は、高値で取引されていました。
前半の4曲は四人での演奏で、有名曲を軽やかに演奏しています。後半の4曲ではトランペットが抜けてのトリオ演奏で、ドラムスとベースの粘りっこく重量ある演奏となっています。さすがは欧州のジャズマン、洗練された雰囲気は素敵なものです。
その中で私が興味深く聴いたのが、カルテットの部での「Mister P.C.」です。前半は軽やかに演奏を進めていきますが、中盤からアラン・ボッチンスキーが仕掛けて重量を増していく演奏となり、刺激的な展開となります。やはりメンバーの中で、コルトレーンの演奏が耳の中に響いてきたのかなと、感じました。
本作がコペンハーゲンで録音されてから4ヶ月後の11月20日に、ドルフィー入りのコルトレーン・グループが、同じコペンハーゲンでコンサートを行いました。きっとこの四人はその会場にいたのであとうなと思いながら、本作を聴き終えました。