ジャケットを見れば、アル・ディ・メオラの、他の人には無いセンスを感じます。カジノの賭けテーブルの間で、白スーツでブーツ姿、いかにもアメリカの土地成金の田舎者がカジノに遊びに来たとの雰囲気です。そして腰掛けている籐椅子は、1974年に公開され世界中で大ヒットとなった映画「エマニエル夫人」でのものでしょう。これまた普通のセンスでは、なかなか出来ることではありません。
そんなジャケのこの作品は、アル・ディ・メオラのリーダー作品の第3弾となるものです。
エレクトリックでのスピード感とラテンの香りで快調な演奏が続き、LPレコードで言うところのB面に入ってもそれが継続しながら、2曲目の「Fantasia Suite for Two Guitars」ではアコースティック・ギターで旅情感ある演奏を聴かせています。
そして最後にはアルバム名にもなっている10分近い「Casino」での、エレクトリックな演奏となります。まるで世界のいろんな場所を映し出している演奏は、お見事なものです。ジャケットとの繋がりは分かりませんでしたが、アル・ディ・メオラのテクニックとイマジネーションに聴き惚れた1枚でした。