20005年にこのCD2枚組が発売されました。特徴は二つあります。
CD1には名盤「 'Round About Midnight」が収録され、かつ4曲が追加されています。この追加曲は全て、かつて編集版などのLPレコードで発売されていたものです。かつ、2000年に発売されたマイルス&コルトレーンのコロンビア時代完全版に収録されていた、アルバム「 'Round About Midnight」制作セッション未発表曲が、ここでは収録されていません。その意味では、アルバム「 'Round About Midnight」のジャケットで発売していながら、消化不良なものです。なお追加の4曲は次の通りです。
Two Bass Hit (master) (1955年10月26日録音)
Little Melonae (master)(1955年10月26日録音)
Budo (master)(1955年10月26日録音)
Sweet Sue, Just You (take 11)(1956年9月10日録音)
CD2には、1955年から翌年にかけてのマイルスのライブが収録されています。
コルトレーン入りのクインテットでの1956年2月18日のパサデナのコンサートでの演奏から、次の6曲が収録されています。
Chance It (aka Max Is Making Wax)
Walkin'
It Never Entered My Mind
Woody'n You
Salt Peanuts + Theme
さらに次のメンバーでマイルスが1955年ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル(7月17日)に演奏した「'Round Midnight」が収録されています。
Zoot Sims(ts), Gerry Mulligan(bs), Thelonious Monk(p), Percy Heath)b), Connie Kay(d)
コルトレーン関連の演奏については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。1956年2月18日のライブ演奏を聴けるのは、恐らくこのCDだけです。
さて1955年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルです。伝説の演奏であり、マイルス愛好家の間では語り草になっている演奏です。背筋を伸ばして耳を澄ませて、この演奏に向き合うことになります。マイルスとモンクが、天才の持てるものを全てぶつけている演奏、圧巻です。